『風を感じる住まい』は快適な暮らしを連想させます。
人は活動度合いに応じ、新鮮な空気量を必要とします(必要酸素量 EX.睡眠時18L/h 活動時90L/h)。
空気にはおよそ21%の酸素と78%の窒素、0.03%程度の二酸化炭素が含まれており酸素が15%以下、二酸化炭素が0.07%程になると疲労や頭痛を感じると言われ、 換気は室内環境にとって大切な要素のひとつです。
自然換気は内外の気圧差や温度差によって起こります。

風があまりない時には温度差による換気、2m/s以上の風が吹くと気圧差による換気が主体となります。 気圧差による換気では、建物に風があたり風上側が高圧・風下側が低圧になることで換気がおこるため、風上から風下への空気の通りやすさは重要です。また風の通り道に家具など障害物となるものをなるべく置かないことで効率よく通風できます。 ちなみに換気量は開口部の開放面積と空気風速に比例します。一方温度差による換気は、暖かい空気の上昇&冷たい空気の下降する力を利用します。下方の空気の入り口→上方の開口部までの距離が長いほどよいと考えられます。 また、自然換気では開口部の大きさだけでなく位置や形状、方向が大切です。
蒸し暑い時期、空気の流れを利用することは、建物や人への熱による負荷を軽減する有効な手段のひとつです。
通風は昔から日本家屋の住みやすさを左右する重要な要素でした。立地状況によって難しい面はありますが、
○風上側に大きな開口部を設ける ○風が通るところの奥行きを短くする
○風が通りぬけるよう開口部を相対する位置に配置する ○植栽を風を呼び込む配置にする
などの対応が考えられます。
風向きがはっきりわかっている場合は、植栽で風の通り道を一部ふさぎ、室内に風を呼び込むことも検討できます。 また風向きがよく変わるような場所では、各方向に均等な開口部を設けることで、出来るだけ多くの面からの風が住まいを通り抜けるようにします。 夏には植栽などにより冷やされた空気を室内に取り込みたいものですが、その場合は窓と植栽の位置が近いほうが効果的です。
植物は室内への直射日光や照り返しを防ぎ、土や草木が涼しい空気を与えてくれ、水やりによる水分の蒸発で冷やされた空気は室内へ涼しさをもたらします。
夏は、低い位置から冷たい空気を取り込み、高い位置から暖かい空気を追い出すことが望ましいと考えられます。
西洋でのイスラム芸術を今に伝え、『赤い城』を意味するアルハンブラはスペインのグラナダにあります。
下写真の水鏡のように、庭園や風景と建物が美しく融合し、かつ細部には美しいモザイクタイルや漆喰細工による装飾 (石よりも、レンガや木材・石膏など通気に適し、ほどよい湿気を保つ素材を多用)がほどこされた宮殿を現在でも見ることができます。

もとは住宅、官庁、軍隊、厩舎、モスク、学校、浴場、墓地、庭園等を備えた王宮都市でしたが、現在残っているのは王家の住宅に代表される部分。 9世紀末にはすでに存在していたアルカサーバから1世紀また1世紀と様々な建物で構成される王宮建造物郡に発展し、7つの宮殿30を超える塔があったと伝えられています。その最盛期はナスル王朝のユースフ1世とその息子ムハンマド5世の時代(14世紀)。この時代にアルハンブラは『宮殿都市』に変わっていきました。
しかし、15世紀になると家柄間の対立や内戦の勃発などが起こり、1492年にグラナダはスペインに征服され、 後はカルロス5世宮殿の建設、モスクがカトリックの祈りの場となるなど変化しながら引き継がれてきました。




